解放新聞中央版7月16日号

「全国部落調査」復刻版出版事件の経緯と裁判闘争の意義
『全国部落調査』復刻版糾弾闘争本部

リード

鳥取ループ・示現舎による「全国部落調査」復刻版の出版差し止めなどを求め部落解放同盟が提訴した裁判の初弁論が7月5日、東京地裁でとりくまれた。ここでは初弁論にいたるまでの運動の経過、法務省をはじめとする司法や関係業界の対応、そして鳥取ループ・示現舎がおこなったかずかずの行為を時系列に掲載する。

はじめに

部落解放同盟中央本部は4月19日,東京地裁に「鳥取ループ・示現舎(宮部龍彦)」(以下,「鳥取ループ」または「宮部」と略称)による「全国部落調査」復刻版の出版禁止とウェブサイトの掲載削除を求めて提訴した。この書籍は,戦前に中央融和事業協会が調査した調査報告書「全国部落調査」の復刻版で,1936(昭11)年に作成されたこの報告書には,全国5,367の同和地区の地名,戸数,人口,職業,生活程度が詳細に記載されている。しかも宮部は,昭和初期の地名の横にわざわざ現在の地名を書き加えて掲載し,また,書籍の中身である全国の同和地区所在地一覧をインターネットのウェブサイトに掲載している。
部落差別が現存し,身元調査が横行するなかで,同和地区の所在地一覧を出版し,インターネットに掲載する鳥取ループの行為は,同和地区出身者を暴く行為そのものであり,部落差別を助長・煽動する許しがたい差別行為にほかならない。1975年に発覚した「部落地名総鑑」事件では,それを使って身元調査がおこなわれ,前途ある同和地区の青年の就職の道が閉ざされ,数多くの結婚が破談になったが,これと同様の図書を出版販売するとは,天人ともに許されざる悪行である。

1,裁判に至る経過

最初に,提訴に至る経過を説明しておきたい。
鳥取ループが「全国部落調査」の復刻版の出版を計画しているという情報が入ったのは,2月の上旬だった。インターネットの鳥取ループのウェブサイトに,「復刻・全国部落調査を4月1日に発売します。旅行のお供に,図書館での添削に,役立つことでしょう。アマゾンで『全国部落調査』の予約受付を開始しました。熱烈な予約注文をお願いします。日本の出版史に変革をもたらす本です」との宣伝情報が掲載されていた。「旅行のお供に」などと人を喰った記事を掲載しているのを見て憤慨した人も多かったと思う。解放同盟中央本部は2月15日に販売しないよう具体策を図れと法務省に申し入れをおこない,続いて通販会社アマゾンに「違反出品」として抗議し,アマゾン側もそれを認めて販売中止にした。また,他の出版・流通会社が扱う恐れがあったので,2月22日に日販や東販など主要な取次店に対して文章で申し入れ,各社は「取り扱わない」と回答した。
その後,3月3日に東京で開かれた第73回全国大会では,この事件が大きく取り上げられた。事件をはじめて知ったという代議員も多く,分科会では鳥取ループ・宮部に対する怒りの声が渦巻いた。2日目の全体会で西島藤彦書記長が緊急の提案を行い,大会終了後その場で糾弾闘争本部を立ち上げて徹底的に闘う方針を確認した。この段階で出版禁止の仮処分の申立を行うことが決まった。
3月9日には,西島書記長が都内で宮部龍彦本人に会い,出版を止めるように厳しく追及した。しかし,宮部はこれを拒否し,ツイッターには「そのような約束は出来ないし,仮にここで約束したとしても必ず破る」などとふざけた記事を載せた。
宮部が中止勧告を聞き入れないことから中央本部は,出版禁止の仮処分申立の準備を急ぎ,3月22日に横浜地裁に申し立てた。裁判所が横浜地裁になったのは,宮部が神奈川県に住んでいるからだが,裁判所から争点を整理するために本の出版禁止とネット掲載の削除を分けるように要請があり,ネット掲載の仮処分申立は横浜地裁相模原支部に行うことになった。
仮処分の申立に対して,横浜地裁は3月28日に出版禁止の仮処分決定を行った。また,4月18日には横浜地裁相模原支部がウェブサイト掲載禁止の仮処分決定を行ったが,鳥取ループ・宮部はいまだに決定に従おうとしていない。

2,本訴の内容

宮部が,出版差し止めの仮処分決定を無視し続けたために,解放同盟は4月19日に,東京地裁に民事訴訟を提訴した。訴状では,①「全国部落調査」の出版差止め,②ウェブサイトの削除,③損害賠償を請求した。このうちウェブサイトの削除については,インターネットの特性を踏まえて「自ら又は代理人若しくは第三者を介して,別紙ウェブサイト目録記載の各記事等につきウェブサイトへの掲載,書籍の出版,出版物への掲載,放送,映像化(いずれも一部を抽出しての掲載等を含む)等の一切の方法による公表をしてはならない」と請求し,今後,宮部が書籍の名前を変えたり,映像などの別な表現手段で同和地区を暴露する道を塞ぐための請求をおこなった。また,損害賠償については,出版及びウェブサイトの公開によって,①差別を受けない権利,②プライバシー権,③名誉権が侵害されているとして一人100万円の損害賠償を請求した。裁判の原告については,宮部がネットに掲載した「部落解放同盟関係人物一覧」に名前を載せられた人たちに各都府県連を通じて働きかけ,原告を募った。宮部は,「全国部落調査」とは別に,「部落解放同盟関係人物一覧」というウェブサイトに勝手に解放同盟の役員や関係団体の役員の名前,住所,電話番号を勝手に流していたのだ。その結果,全国の30都府県から,211名が手を上げ,原告になった。また,団体として部落解放同盟も原告になることにした。

2,許しがたい宮部龍彦の居直り

以上が裁判の提訴までの経過だが,宮部龍彦は反省を示さないどころか現在も居直りを続けている。彼がどういう態度を取っているのか,宮部の本質を知る上でも大事なことだと思うので紹介しておきたい。
まず,2月10日にインターネット通販会社アマゾンが「復刻版」の販売を中止したが,これに対して宮部は,「多少月日がかかっても,全国部落調査の出版は必ず実現しますよ。たとえ印刷所に圧力をかけようと,最近は中国でも韓国でも印刷を外注できるので無駄です。紙に限らず,電子書籍もアプリもあります。全国部落調査は不滅です」と,まったくおちょくるような記事を掲載した(2月12日)。また,3月29日に横浜地裁が出版禁止の仮処分決定を行ったが,これに対しても「全国部落調査の仮処分関係の書類ですが,もう必要ないのでオークションに出品しました。もちろん,全国部落調査も付いています。ぜひ,入札してください」(3月29日)とネットに掲載して,実際にヤフーオークションに解放同盟が提出した訴状や資料,――この中には「全国部落調査」も含まれている――を売り渡してしまった。「出版販売してはならない」という裁判所の決定をあざ笑うかのような挑戦的な態度だ。これは,今後の裁判で宮部を弾劾する重要な材料になるものと思う。ちなみに落札価格は5万1000円だった。誰が落札したのか分からないが,悪用されないか心配だ。
4月7日には,図書の現物を差し押さえるために,横浜地裁の執行官が神奈川県座間市の示現舎に乗り込んで書籍の差し押さえを行った。この時は部屋には何もなかったので差し押さえは出来なかったが,これに対して宮部は「こういうことをするなら,こちらも,さらに対応困難な方法で抵抗せざるを得ません。全国部落調査は必ず復興されます。もう手遅れなのです」と開き直った。

3 法務省・法務局の対応
ところで,今回の事件に法務省や法務局はどのように対応したのか。人権侵害事件を処理するのは,法務省とその出先の法務局の仕事だ。われわれはすぐに出版禁止と掲載禁止の措置を取って欲しいと法務省に迫ったが,法務局の腰は重かった。2月15日に,東京法務局人権擁護部が宮部を呼び出したが,それは事情聴取という歯切れの悪いものだった。
その後,2月中旬には全国各地で地方法務局への抗議行動が始まり,中央本部が3月16日に法務省交渉をおこなった結果,3月29日になって法務局はやっと宮部を呼び出して,次のような内容の文章を渡して「節示」を行った。
「あなたの前記各行為(=インターネット掲載)は,あなたが同和地区であると適示した特定地域の出身者,住民等に対して,当該属性(同和地区出身者)を理由として不当な差別的取り扱いをすることを助長し,又は誘発するものと認められ,人権擁護上到底看過することが出来ない。よって,あなたにたいして,前記各行為の不当性を強く認識して反省し,直ちに前記各行為を中止した上,今後,同様の行為を行うことのないよう説示する」
いっぽう,国会でもこの問題が取り上げられた。4月5日に,参議院で有田芳生議員が法務大臣に質問し,法務大臣は次のように答弁した。
「委員からご指摘があった通り,不当な差別的取扱い,これを助長・誘発する目的で,特定の地域を同和地区であるとする情報がインターネット上に掲載されるなどとしていることは,人権擁護上,看過できない問題でありまして,あってはならないことだと,そのように考えています」

5.部落解放同盟への反発

Mらがなんのためにこんな違法行為をくりかえしているのか。彼自身の真の目的は不明だが、横浜地裁相模原支部に提出した答弁書を読む限り、2つの目的が指摘できる。
まず、第1は、いわゆる「同和タブー」といわれる、同和問題をタブー視するマスコミの態度を「打破」しようとしている点である。Mらは、部落解放同盟は「差別を口実に、同和問題に関する情報、議論、一切の表現を独占して、意のままにしようとしている。そのような行為こそ、重大な人権侵害である」といい、「人権に関わることについてメディアが口を閉ざす状況を打破することを(出版の)目的としている」とのべている。
もう1つは、部落解放同盟への反発である。Mらは、たとえば、部落解放同盟はあるときは「寝た子を起こすな」という考え方は克服しようといいながら、別な場所では部落の所在地公開することは差別だという。部落解放同盟の「主張は一貫しておらず、場当たり的である。最大の問題は、そのような場当たり的な主張を、是が非でも他人に強制しようとすることである」と反発する。あるいは、「部落民を名乗っても差別されないような社会を目指そう」という部落解放同盟の綱領を持ち出して、「部落や、部落民が明らかにできるようにすることが解放同盟の活動目的なのだから、ウェブサイトに部落の場所が掲載されても解放同盟の活動を阻害することにはならない」と主張している。
しかし、現代社会では、同和問題でなくても、一般的に個人情報は本人の承諾なしに勝手に公表してはならない。まして人権問題に関連して、当事者の情報を出すことは差別の助長につながるから、厳しく制限されるのは当然である。たとえば、在日韓国人や朝鮮人、アイヌ民族、ハンセン病等の感染者、性的マイノリティなど人権問題に関連した当事者の名前や住所を公表する場合、それが研究であっても報道であっても、差別が存在している現状のなかでは、情報公開は差別の助長に直結する。そのため情報公開には厳しい条件が必要とされている。まずは、当事者の同意または了解を得ることであり、最も重要な点は、差別や偏見をなくす活動の一環であることである。
しかし、Mらは、一度も当事者の同意や了解をとったことがないし、部落問題を解決するために活動したこともない。たださらすこと、暴くことだけを目的にしている。しかもMらは就職差別や結婚差別などの被害事実については一言もふれてない。戸籍の不正取得や部落地名総鑑がどう使われてきたのかについて一言もない。差別の不当性を訴えたこともない。差別をなくそうとよびかけたこともない。ただ部落の所在地を暴露することを目的にしているだけである。

6.出版・掲載の犯罪性

(1)出版・掲載は差別の助長・煽動そのもの
まず、1点目は、Mらの行為は、部落差別が現存するなかでは、部落差別を助長・煽動する許しがたい差別行為そのものであるということだ。2012年のプライム事件では、探偵社が職務上請求書を偽造印刷して身元調査をしていた実態が浮き彫りになった。主謀者のひとりは「お客さんの依頼は、同和地区かどうか結婚相手の身元調査だった」と説明した。各地の人権意識調査でも、1割近くが「身元調査は当然」と回答している。このような現状を考えれば、同和地区所在地一覧表を書籍にして販売することは、文字通り身元調査とそれにもとづく結婚差別や就職差別を煽動する許しがたい差別行為にほかならない。
(2)出版・掲載は同和行政の成果の破壊
2点目は、Mらの行為は、部落問題を解決するための行政や企業、宗教団体、労働組合などでの、さまざまなとりくみの成果をだいなしにする、許しがたい行為であるということだ。
戦後70年間、部落差別をなくすためにさまざまなとりくみがおこなわれてきた。たとえば、就職差別撤廃のために統一応募用紙がつくられ、公正採用選考人権啓発推進員制度などができ、企業もまた自主的な研修をすすめてきた。最近では、身元調査を防止するために本人通知制度が採用され、差別調査をなくすために宅建業界はガイドラインを作成してきた。Mらの所在地暴露はこうしたとりくみを破壊する行為である。
(3)出版・掲載は部落解放運動への挑戦
第3は、全国水平社以来の部落解放運動の成果を破壊する許しがたい行為であるということだ。部落解放運動の先輩たちは、不当な部落差別と貧困をなくすために、文字通り血と汗を流してきた。その結果、課題は残っているものの住環境が整備され、生活が安定し、教育も向上してきた。Mらの所在地暴露は、戦前戦後を通して部落解放運動がかちとってきたこれらの成果を破壊する行為であり、解放運動を冒涜(ぼうとく)する行為だ。同和地区を暴くことで、同和地区に暮らす住民にたいする差別意識が煽られ、就職差別や結婚差別を受ける危険性が増幅することは目に見えている。

7.裁判闘争の意義

いよいよ裁判がはじまる。最後にこの裁判闘争の意義を確認しておきたい。
まず1つは、この裁判闘争は、今後起きるであろう部落差別の拡大助長からわれわれの兄弟姉妹と子孫を守る闘いである。
「所在地一覧」の垂れ流しで差別が助長されることはたびたび強調したが、これから先、われわれの子や孫がこの情報の流布でどのような被害に遭うのかたいへん心配される。インターネットへの掲載で、これまでは知らなかった者までがおもしろ半分に同和地区の所在地を知ることになり、就職や結婚で差別が広がることが懸念される。その場合、差別は部落解放運動に参加しているかどうかに関係なく、すべての同和地区住民に降りかかってくる。今回の裁判は、この差別から子孫を守る闘いだ。
2つめにこの裁判は、政府の人権政策、とりわけ部落差別をなくすための法整備を怠ってきた政府にたいしてその怠慢と不備欠陥を糾す闘いである。
先の国会では、「部落差別解消法」が提案されたが、われわれは2002年の特別措置法が失効して以降、同和問題を直接対象にした法律がないことを批判し、人権侵害救済法や人権委員会設置法などの法整備を求めてきた。しかし、政府はこれまでなんらの積極的な施策を講じようとせず、時どきの政治に責任を転嫁して放棄するにまかせてきた。今回の事件でも、部落差別を社会悪として断罪する法律がないことがその背景にある。差別は許されない社会悪であり、犯罪であるという国の姿勢がないことが、Mらのような反社会的行為を許してしまっているのであり、また裁判所が厳しく処罰できない法的な不備欠陥の原因になっている。
3つめにこの裁判は、先輩たちの積み重ねてきた成果と行政や企業、宗教団体が積み重ねてきた部落差別をなくすためのとりくみの成果を守る闘いだ。
戦後70年間、行政や企業、宗教団体、労働組合はそれぞれの立場で部落差別をなくすためにさまざまなとりくみをおこなってきた。いっぽう、全国水平社をひきついで部落解放同盟は、部落の住環境の改善や職業の安定、教育の向上、同和教育の推進などにとりくんで成果をあげてきた。われわれの先輩たちは、不当な部落差別と貧困をなくすために、文字通り血と涙を流してきた。Mらの所在地暴露は、戦前戦後を通して部落解放運動がかちとってきた成果を破壊し、否定する行為であり、部落解放運動を冒涜(ぼうとく)する行為だ。裁判は、部落解放運動がかちとってきた成果を守る闘いだ。
最後に、この裁判は、差別者Mらを徹底的に糾弾し、社会的に追放する闘いである。差別を煽るこのような人物を放置してよいわけがない。いま、直接裁く法律がないために損害賠償という形で経済的な制裁を加える方法しか取れない。今回の裁判は、裁判を通じてMらの差別行為、犯罪行為を徹底的に断罪し、社会的な制裁を加える闘いである。

おわりに

この裁判には、部落解放同盟はもちろんのこと、差別のない社会の実現をめざして努力を重ねてきた地方自治体や企業、宗教団体などから大きな注目が集まっている。原告はもとより、各都府県連や関係諸団体は、差別糾弾の闘いとしてこの裁判闘争にともにたちあがろう。


(裁判闘争日誌)

2月
・上旬に中央本部に「全国部落調査」復刻版出版計画の情報がよせられる
・MのHPに「4月1日販売。(インターネット販売会社の)Amazonでの予約受け付け開始」という宣伝とともに「旅行のお供に、図書館での添削に、役立つことでしょう。(中略)・・日本の出版史に変革をもたらす本です」と掲載
・Amazonにたいし書籍は「違反出品」と抗議
10日 Amazonは書籍を販売中止に
12日 Amazonの販売中止決定に「多少月日がかかっても、全国部落調査の出版は必ず実現しますよ。たとえ印刷所に圧力をかけようと、最近は中国でも韓国でも印刷を外注できるので無駄です。紙に限らず、電子書籍もアプリもあります。全国部落調査は不滅です」とHPに掲載
15日 法務省にたいし、販売阻止へ具体策を講ずるよう申し入れ
・東京法務局人権擁護部がMをよびだし事情聴取
22日 書籍取次店にたいし書籍を取り扱わないように申し入れ
・各社が「取り扱わない」と回答
・全国の都府県連などが地方法務局への抗議行動を展開

3月
3、4日  第73回全国大会
大会終了後、全国書記長会議で糾弾闘争本部を立ちあげる
8日 西島書記長が当事者と面会し、出版中止へ厳しく追及
・出版中止を拒否。自身のツイッターに「そのような約束は出来ないし、仮にここで約束したとしてもかならず破る」と書き込む
16日 法務省交渉にとりくむ
22日 横浜地裁に出版禁止の仮処分を申し立て
28日 横浜地裁が出版禁止の仮処分を決定
・同日、申し立て、仮処分に関連する書類一式をヤフー株式会社が運営するヤフーオークションに(通称ヤフオク)に出品。「もちろん、全国部落調査も付いてます」などと宣伝。裁判所の出版禁止決定を無視し、5万1千円で売り渡した。
29日 法務局がMを再度よびだし。以下の文章を渡し「説示」おこなう
・「あなたの前記各行為(=インターネット掲載)は、あなたが同和地区であると摘示した特定地域の出身者、住民等に対して、当該属性(同和地区出身者)を理由として不当な差別的取扱いをすることを助長し、又は誘発するものと認められ、人権擁護上到底看過することが出来ない。よって、あなたにたいして、前記各行為の不当性を強く認識して反省し、直ちに前記各行為を中止した上、今後、同様の行為を行うことのないよう説示する」

4月
5日 参議院法務委員会で問題が取りあげられ、「不当な差別的取扱い、これを助長・誘発する目的で、特定の地域を同和地区であるとする情報がインターネット上に掲載されているなどとしていることは、人権擁護上、看過できない問題でありまして、あってはならないことだと、そのように考えています」と岩城光英・法務大臣が答弁
7日 書籍の現物差し押さえのため横浜地裁の執行官が示現舎に立ち入るが、部屋には何もなく差し押さえできず
・差し押さえにたいし、「こういうことをするなら、こちらも、さらに対応困難な方法で抵抗せざるを得ません。全国部落調査は必ず復興されます。もう手遅れなのです」とひらきなおる。実際に、書籍と同じ内容を掲載した内容をふくむものを販売しようとした
・取り扱っていたフリーマーケットサイトに抗議し、取り扱い拒否に
18日 横浜地裁相模原支部がウェブサイト掲載禁止の仮処分を決定
19日 東京地裁に①出版差し止め②ウェブサイトの削除③(差別を受けない権利・プライバシー権・名誉権の侵害による)損害賠償、の3点を内容とする訴訟を提起