第7回口頭弁論(東京地裁)

 

 

 「全国部落調査」復刻版出版事件裁判の第7回口頭弁論が12月25日午前、東京地裁でひらかれ、110人が集まった。弁護団は、原告の陳述書のうち9人分を第1次分として提出し、6つ目の準備書面を口頭で説明して提出した。提出にあたり、原告の陳述書をインターネット上に掲載しないよう被告Mに求めたが、Mは聞いておくとして掲載しないとは答えなかった。

 

 準備書面6は、部落への差別的情報が氾濫しているインターネットの現状、ネット検索で自分が部落出身だと初めて知るケース、差別の連鎖・再生産の実態、結婚差別・就職差別-差別身元調査など、ネット上の部落差別の特徴的な被害も報告。ネット社会の差別の特質と、Mらの行為のきわめて高い違法性、きわめて多大な損害の大きさ、の3点で主張を補足したもの。

 

 Mらの行為には、部落所在地や個人情報に加え、司法救済を求める原告の陳述書なども公開して部落差別を助長した高い違法性があること。原告に電話したり原告の親族宅を訪問して経過をネット上に公開したことや、Mが公開した個人情報を使った可能性がきわめて高い凶器入り差別脅迫文書などの犯罪が現実におきているなど、多大な被害が発生していることを指摘した。Mは5つ目の準備書面を口頭で説明し提出した。

 

 今回の報告集会は弁護士会館でひらき、110人が参加。指宿昭一、山本志都、中井雅人、河村健夫の各弁護士が報告し、片岡副委員長がまとめた。

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