横浜地裁が示現者に立ち入り
出版禁止の仮処分決定で 
(解放新聞埼玉版4月15日号)

鳥取ループ(宮部龍彦)による「全国部落調査」復刻版事件で横浜地方裁判所川崎支部は4月7日、川崎市多摩区にある示現舎に対して、出版差止仮処分決定にもとづいた書籍保管の執行を行った。
復刻版事件では、部落解放同盟が出版差し止めの仮処分を申し立て、横浜地裁が3月28日に「著作物を出版、または頒布してはならない」「著作物の製品(半製品を含む)の占有を解いて,横浜地方裁判所執行官に引き渡さなければならない」との仮処分決定を行った。この日は決定にもとづいて横浜地裁の執行官が書籍保管の執行を行った。執行には、申し立て側の弁護士3人が立ち会った。木造アパート6畳一間の示現舎には誰もいなかったため、執行官が解錠して部屋の中を調査し、復刻版の書籍を保管していないか点検した。しかし、書籍がなかったため、立ち入ったことを告げる通知書を残して引き上げた。
 立ち会った中井雅人弁護士は、「復刻版の出版は、差別を誘発し助長する前代未聞の悪質な差別行為だ。書籍はなかったが、執行することで裁判所や申し立てた解放同盟の厳しい姿勢を示すことが出来た。今後もさらに本訴で徹底的に追い詰めていきたい」と語った。 部落解放同盟は4月14日に大阪で開いた中央委員会で、全国の組織をあげて鳥取ループ・宮部龍彦を糾弾する闘いを展開することを決めた。